誰しもが病院で管だらけになって最後を迎えるなら、自宅で死にたいと願うと思いますがそれには1つの方法を準備しておくことが必要になって来ます。
この記事の目次
8050・9060とは
日本は超高齢化社会を迎え、8050や9060といった現実がございます。80歳の親を持つ人の子供は平均50歳が多く、90歳の親を持つ子供は60歳が少なくないと言われています。
親の介護をしていても子供も高齢化になっている時代でいかに老後を考えて生きていかなければならない時代に突入しています。
親が90歳になってもしものことを考える
親が高齢で先々そんなに長くはないんじゃないかと考えた場合、もしかしたら睡眠中に逝ってしまっていて翌日起きて来ないといった現実は十分にあることなのですが、もしも自宅でなくなっていた時にどうしたら良いのか・・・
病院で看取った場合にはなんの心配もせずに葬儀まで粛々と進んでいくと思います。
しかし、最後を迎えたい人のほとんどは病院ではなく、「住み慣れた我が家」で死にたいと願っているのです。
これは、私たちが講演などを行なった際に受講された方にお聞きした内容でもあります。
結論から申し上げます。
救急車を呼んでしまうとかえって大変な理由
自宅死を自ら選び最後を迎えてしまう覚悟ができている人は問題ありませんが、その意思を家族や知人に伝えていない場合はどれだけ発見した方が冷静でいられるかはわかりません。
まったく息をしていないのであれば死亡していることはわかりますが、通常であれば慌てて救急車を呼ぶ行動になると思います。
救急救命士が到着し心肺停止で死亡となっていれば救急車は遺体を乗せずにかえってしまうわけですが、その代わりに警察へ連絡がいき、警察の方が今度はご自宅へきます。
現在の往診しているかかりつけ医が死亡診断書を作成してくれない場合、「家族全員の事情聴取」が始まります。それは、事件性があるかないかの形式的な事情聴取になりますが、警察もあっさり自宅で死亡したかったからと受け入れるわけにもいきません。
誰かが殺したのではないか?遺産はどのくらいあるのか?相続は誰がする予定なのか?口論になったりした人はいたのか?スペアキーなどは誰が持っているのか?
あらゆる事件性の可能性を確認して、事件性があるかもしくはないかの判断をすることになるのです。
では、どうしたら自宅死を尊厳できるのか
一人一人の事情聴取は何時間もかかると思います。もちろん勝手な私用はできませんし、疑われて質問に答えなくてはなりません。
その疑いがやっと晴れれば解放となるわけですが、ほとほと疲れることになってしまいます。
「身内に迷惑をかけたくない」
そう願って自宅死をするのであれば、死亡していた場合救急車を呼ばないことです。
救急車を呼んでしまえば必要な機関に連絡はしなければなりませんし、救命士も使命ですから適当なことはできません。
自宅死を望み、身内や知人に伝えてある場合には、まずは主治医を呼ぶことです。
そこで、往診した主治医が死亡診断書を書いてさえくだされば事情聴取や救急車を呼んだ野次馬などに見られることもありません。
まとめ
往診をしてくれる医師と云うのは、在宅医療を遣っている医師が多いと思います。通常、往診の依頼は在宅医療の依頼と受け取られ易いので、明確に、万が一のときだけ往診をお願い出来るか(死亡診断書を書いてくれるか)どうかを聞いておきましょう。